「何してるのシンジ君!早く乗って!」


僕はアスカの首を絞めた。


「気持ち悪い」


そう言って動かなくなった彼女の傍でずっとアカイ海を見ていたんだけど、
襲ってくる眠気には勝てなくて眠ってしまった。
そして気がつくと、目の前にはミサトさんがいたんだ。








いまさら30000ヒット記念

エヴァ・逆行編






どうやら僕は過去に戻ったみたいだ。
サードインパクトの中で色々な可能性を目指した僕の姿を見せられたけど、
これが俗に言う『逆行』てやつかな?
車の中ではミサトさんに何度か話しかけられたけど、
色々考えてたから気がつかなかった。ちょっと印象が悪くなったかも。
ミサトさんは前と同じように迷ってリツコさんに怒られたし、
あの時と同じようにエヴァ初号機の前に連れて行かれた。


(たしか綾波が来るんだっけ)


そのことを思い出した僕は、父さんの


「お前が乗れ」


の一言に、迷わず


「分かりました」


と答えた。


「ちょ、ちょっとシンジ君!?本当にそれでいいの?もっと真剣に考えなさい!」


ミサトさんに怒られた。前の時は乗らないって言ったら怒ったのに、
乗るって言っても怒るなんて酷いよね。
でも、お陰で怪我をしている綾波が登場することは無かった。

 
 

 
 


 
 

(やっぱり気持ち悪いなぁ)


そう思いながら、エントリープラグに満たされていくLCLを眺める。
前回は文句を言ったら


「我慢しなさい!」


って怒られたから、今回は口には出さなかった。
ただリツコさんに


「あの子初めてのはずなのに・・・・・怪しいわ」


って目をつけられる事になっちゃったけど。
ミサトさんに怒られた方がましだったかな?
シンクロ率が80%をこえてたみたいで、発令所は騒いでる。
まずいなぁ。この頃のアスカってまだ70%くらいだったっけ?抑えればよかったよ。
会った時に何か言われるかもしれないし、この所為でギクシャクするのも嫌だな。
でもやっちゃったものはしょうがないか。
え?使徒?そんなのちゃっちゃと片付けたよ。
パイルさえ気をつければなんて事はなかったね。
おかげでリツコさんには完全に疑われちゃったかな。
そうそう、トウジの妹さんも助けないとね。殴られるのはゴメンだよ。

 
 

 
 


 
 

妹さんを助けたから、トウジには殴られることは無かった。
かわりに教室で土下座をされ、あげく舎弟(しゃてい)になりたいって言ってきた。
登下校中も学校でも、休日でもNERVに行く時でもいつもついて来るトウジ。
あぁ、ケンスケも一緒か。おかげで委員長に三馬鹿ってあだ名をつけられたよ。
正直ウザイよ。だってジャージと盗撮魔だよ?
男の友達は増えたけど、華が無いよ華が。
トウジとケンスケがいるから女の子は寄って来ないんだ。
トウジと出来てるって噂もあるみたいだし。もう最悪だよ。
しかもこの2人、何度も言い聞かせたのに使徒戦に出てきたんだよ!
ミサトさんの命令通りに2人をエントリープラグに乗せたけど、
前よりシンクロ率がある所為か異物感も強くて気持ち悪かった。
鞭はお腹に刺さるし、左手はちぎれるしホント痛かったよ。

 
 

 
 


 
 

まぁ、そんなこんなで次はラミエル戦。
今回は綾波の家には行かなかった。
綾波が無理やり病院から抜け出そうとして入院が長引いて、
退院の日にリツコさんがついでと言ってカード渡したらしい。
何するんだよ!せっかくの潤いイベントだったのに・・・・・・。
シャムシエルの解体現場では父さんを見かけたけど、
やけどの事は知っていたから今回は聞かなかった。
かわりに「可愛い人」って母さんが言ってた(サードインパクトの時に知ったんだ)って話したら、
リツコさんとミサトさんは固まっちゃって、父さんは顔を赤くして逃げるように立ち去っていった。
しばらくしていつものように使徒は攻めて来たけど、
初号機はまだ左手が無いからライフルを支えられなくて、防御を担当する事になった。
今回は事前偵察をしてくれって訴えたら、出したダミーが一瞬で蒸発。
急遽対策会議を開く事に。前はあれに撃たれたけど、ホント危なかったんだね。
作戦はまた「ヤシマ作戦」だった。ライフルは、ようやく現場復帰した綾波が戦自に取りに行った。
作戦会議で綾波は強固に


「防御を担当したい」


って言ってたけど何でだろう?

 

 


 

 


ぐぁあああああああああ!!!!!

「シンジ君!」


ミサトさんが叫んでる。第1射はラミエルの加粒子砲に干渉をうけて逸れちゃった。
っていうか綾波、はやく第2射を撃ってよ!さすがにこのままだとキツイよ!


「大丈夫碇君!?」


電子系等が壊れてエントリープラグから出られず、
加熱したLCLの中に閉じ込められていた僕は綾波に救出された。
綾波、どうしてもっとはやくライフルを撃たなかったんだい?
チャンスは何回もでもあったよね?
ちょっと頭にきている僕は、何故かニコニコしている綾波を見て


「こんな時どんな顔をすればいいか分からないんだ」


って言ったら、


「笑えばいいと思うわ」


と言われたから、僕は引きつった笑みを浮かべていたと思う。
だって綾波が悲しそうにこう言ってたから。


「違う。こんなの碇君の笑みじゃない・・・・・」


それを聞いて疑問に思った僕は綾波に問いかけたんだけど、
どうやら彼女も逆行してきたらしい。
僕にはやく会いたくて病院を抜け出そうとしたせいで、
お宅訪問イベントがなかったからここでポイントを稼いでおこうと思ってこんな事したんだって。
確かに、危ないところを助けてもらったらポイント高いけど、
それを狙って危ない目に遭わされたんじゃ逆効果だよ。
でもポイントって何だろ?それに


「サルには負けないから」


ってどういうこと?

 
 

 
 


 
 

でもってアスカ来日。
やられたよ。アスカも逆行してたんだ。
挨拶もなしにいきなりキスされたんだ。
それは嬉しかったんだけど、周りにはミサトさんやトウジ達もいたんだ。


「レイはどうするのかしら〜?」


ってミサトさんにはからかわれるし、


「「イヤ〜ンな感じ」」


ってトウジとケンスケは言うし。
その後はアスカに引き摺られて弐号機へ。
アスカのを着るのは恥ずかしかったから、自分のプラグスーツを持ってきたんだけど、
アスカに取られちゃった。僕は代わりにアスカのやつを着た。
これじゃ意味無いよ!そして2人で弐号機へ。
使徒はあっさりアスカが倒した。
僕達の姿を見たミサトさんたちは、ちょっと引いてた。
NERVに帰ったら、綾波に「浮気者!」って首を絞められた。
ミサトさんが情報をリークしていたみたいだ。
でも浮気者ってなんで?付き合ってもいないのに・・・・・。
ところでJAはどうしたって?なにそれ。農協のこと?

 
 

 
 


 
 

予想していた通り、学校ではすごい騒ぎになった。
ただでさえアスカは目立っていたのに、
転校初日に僕と恋人宣言をしたから。綾波も負けずに僕と恋人だって言った。
おかげで僕は鬼畜と呼ばれるようになった。
NERVでも、さすが父さんの息子(悪い意味で)だって言われるし。
ちょっと憂鬱になりながら毎日を過ごしてたんだけど、使徒がやってきた。
ストレスも溜まってるからね。ボコボコにしてやるよ・・・・・くっくっくっく。
と思ってたんだけど、駄目でした。
ラミエルの所為で初号機はいまだ使えない状態らしい。
綾波とアスカが担当する事になった。
だけど、2人はコンビネーションもバラバラ。
互いに足を引っ張り合って、不意を食らって仲良く犬神家状態。
N2で進行は抑えたけど、副司令はカンカンだ。


「恥をかかせおって!」


と言って倒れた。
リツコさんの話だと、ストレスで血圧が上がって心臓に負担がかかったらしい。
副司令は緊急入院。作戦を指揮したミサトさんは減俸処分になった。
アスカと綾波は、いまだに責任を擦り付け合っていた。
結局、ユニゾン訓練をすることになったけど、
初号機は予定に間に合わないかもしれないから僕は外されて、
アスカと綾波がやることになった。
場所は僕とミサトさんの家。
駄目でしょこの2人を組ませたら。何日経ってもユニゾンする気配はないし。
これでサードインパクトかな?って半ば諦めてたら、
リツコさんに呼び出された。
なんでも、もしものために初号機を急ピッチで修理したらしい。
もしもってアスカたちがうまくいかなかった場合だよね?
その日から、僕はNERVに缶詰状態になった。
そして決戦日前日。とうとうアスカたちはユニゾンできなかったので、
2人に内緒で僕が出向く事になった。
使徒はまだ自己修復中だったので楽だった。
だってコアをソニックグレイブで滅多刺しにすればよかったんだから。反撃も無いしね。
いいストレス解消になったよ。
戦いが終わって家に帰ると、アスカと綾波はまた喧嘩をしていた。はぁ・・・・

 
 

 
 


 
 

「碇君、ごはんまだ?」

「バカシンジ。早くしなさいよ」


アスカと綾波がうるさい。どうせ暇なんだから手伝ってよ!
何で綾波が家にいるかというと、あのままなし崩し的に2人も同居することになったからなんだ。
アスカとミサトさんだけでも大変だったのに、今回は綾波も一緒。
3人とも家事は絶望的なんだ。手伝う気もないみたいだし。
でも使徒戦は順調なんだよね。あのゼルエルも協力して倒したんだ!
その時に、暴走に見せかけてゼルエル食べたんだけど、


「これは・・・・・・チョコバナナ味?なかなか美味しいですな」


って言ったら、アスカに気味悪がられちゃった。
でもなんとも感じないね。だって僕は知ってしまったから。
イロウルの時だったかな?地底湖で救出を待ってたんだけど、
あまりに暇だったからアスカたちと話をすることにしたんだ。
でも、いくら呼びかけても返事が無い。綾波も駄目だった。
僕は2人に何かあったんじゃないかと思って慌ててプラグから出たんだけど、
そのとき見ちゃったんだよね。
アスカと綾波がキスしながら抱き合ってるとこ。
薄暗い地底湖の畔の浜で、裸で抱き合う2人はある意味幻想的だったけど、ズーレはちょっとね。
2人は僕に気付いて必死になって否定してたけど、いいじゃないか。険悪な仲よりはいいよ。
でも、あんまり僕に近づかないでね?そう言えば、リツコさんがその道に詳しかったよね確か。


「きっといいアドバイスをくれるよ。僕から頼んでおいたから」


って2人に言ったら、ブツブツ言いながら滝のような涙を流してた。
漫画以外で初めて見たよ。そんなに嬉しかったのかな?
他はいたって順調・・・・・って、そう言えば大きなトラブルもあったんだ。
いつだったか、転校生がやってきたんだ。
前回は無かったイベントだね。
彼女は何故か僕にアタックしてきたんだ。デートもしたよ。
「好き」って言われたときは嬉しかった。でも、アスカは


「アイツはスパイだ!」


って言い張るし、綾波は無言で睨むし大変だったよ。
まさかホントにスパイだとは思わなかったけどね。しかも戦自だって。
彼女のお友達がトライデントってロボットに乗って攻めてきたんだけど、
あっさり返り討ちにしてあげたよ。
その時、ムサシ・リー・デードヴィッヒ(※ムサシ・リー・ストラスバーグです)君だったかな?


「マナを返せ!」


って物凄い剣幕で言ってきたんだけど、誤解だよ。
彼は僕がマナを脅して無理やりいろいろヤッってると思っていたらしい。
いろんなこと?駄目だよ。検閲に引っかかるから書けないね。
実際してないんだし。
そうしているうちに戦自が自棄になってN2を撃ってきたんだ。
トライデントとマナたち少年兵って秘密だったんだって。
特にマナたちは世間に知られるとマズイらしい。
同年齢だけど、僕たちチルドレンの事はいいのかな?
まぁATフィールドでマナたちは守ってあげたけどね。
その時、マナは最期と思ったんだろうね。
ムサシくんに泣きながら抱きついてた。


「やっぱり仲間を捨てることなんてできない・・・・ごめんシンジ」


って僕を見ながら言ってたっけ。こりゃ決定的だね。
マナたちは加持さんが偽造した戸籍で第2東京で暮らすことになったんだけど、


「今度またデートしようね」


って別れ際にマナに言われた。
ムサシ君を嫉妬させる為にそんな事言うのはかまわないけど、
巻き込まれる身にもなってよね。生身じゃどう見てもかなわないんだから。
他の人でやってよね。
そう言えば、もう1人いた筈だよね。彼どうなったのかな?一緒じゃなかったけど。
リツコさんが新しい実験体が増えたって言ってたけど、まさかね・・・・・。

 
 

 
 


 
 

よく、災害は忘れた頃にやってくるって言うけどホントその通りだよ。
災害って何かって?JAだよJA。
今回はやっかいでさ、トライデントの技術も取り入れたみたいなんだけど、
結局暴走したんだよねJA。
さすが技術を取り入れただけあって、動きが機敏になってた。
しかもポジトロンライフルも肩に装備してた。
これってNERVの技術じゃなかったの?駄目じゃない。情報がだだ漏れだよまったく。
充電式だったから3発しか撃てないって話だったけど、
それでもすごいよね。NERVじゃ無理だし。
3発全部撃つと砲身が加熱しすぎて爆発する可能性大だって。
しかも原子炉が誘爆するかもしれないって言われたよ。
やたらと動き回るし、ライフルでATフィールドは破られるし大変だったよ。
戦利品としてポジトロンライフルの改良データを得られたのは良かったってリツコさんが言ってた。

 
 

 
 


 
 

そしてアルミサエル・・・・・・は零号機と弐号機が食べちゃった。
端と端からラーメンみたいにチュルチュルって食べていったんだけど、
最後はエヴァ同士でキスもしてた。
まぁ、僕が手伝ってあげたんだけどね。
2人が近づいたから、文字通り僕が背中を押してあげたんだ。
今回の事で2人の仲がNERVで公認になった。
また全力で否定してたけど、恥ずかしがらなくてもいいと思うな。
そういえば父さん元気かな?
え?何で心配してるのかって?
実は父さん入院してるんだよね。急性胃潰瘍で。
副司令が倒れて、今まで押し付けてた雑用を全部自分でしなきゃいけなくなったんだ。
余程人に頭を下げるのが嫌だったんだろうね。直ぐにストレスで胃潰瘍になったよ。
代わりに副司令が復活したおかげで助かったけどね。
父さんはまだ入院。リツコさんが薬の調合を間違ったからだって噂だけど、本当ですか?

 
 

 
 


 
 

遂に約束の時がきた!
目の前には、銀髪の少年の姿がある。カヲル君だ!
僕はいろいろ考えたんだ。
アスカと綾波は、実はズーレの人(本人達はまだ否定してるけど)だったし、
マナが近づいてきたのは彼氏の嫉妬を煽る為だった。
そう、僕に好きと言った人はいたけど、
全部カモフラージュの為だったんだ!(※シンジの勝手な思い込みです)
でもカヲル君は違った。純粋に僕を好きでいてくれた。
サードインパクトの時の可能性の世界だと、
カヲル君がホモって言われてる世界もあったけど、違うよ。
だって前回の時は、部屋で話してる時にトウジの妹の写真を見せてあげたら興奮してたし。
ロリの人なんだよ。正直ロリも人としてどうかと思うけど、ホモよりいいよ。
何より身の危険を感じなくてすむし。
とにかく、僕はようやく心の友、カヲル君に逢えるんだ。
思わず叫んじゃったよ。


「カヲルく〜ん!」


でも大丈夫だよね?アスカたちが逆行してるんだから、
カヲル君も逆行してるはずだ。そうに違いない。
そして、僕に気がついた彼は振り向いた。

 
 

 
 


 
 

 
 


 
 

 
 


 
 

「あア?何言ってやがンだテメーはよ!?」

「駄目だよアクセラレーター、ってミサカは無駄と思いつつも注意してみたり」

「なンだとこのクソガキは」

「痛い!頭グリグリしないで!ってミサカはミサカは本気で抗議してみる!」

「はぇええええ?」


僕の前では、カヲル君みたいな男の子(といっても、性格は全然違うけどね)と、
小さな女子のが騒いでいる。もしかして、彼がこの世界のカヲル君!?
まさかその子に手を出してないよね?


「あの、君がカヲルくんじゃないの?ゼーレから送り込まれた」

「あ?ンだよバレてんじゃねェか!そうだよ。俺らがゼーレのスパイだ。
 で、どうすンだお前?戦うってなら相手してやンぜ?」

「だから駄目だよアクセラレーター!ってミサカはミサカは再度注意してみる。
 そんなだから友達いないんだよ、ってミサカは厳しい現実を指摘してみたり」

「なるほどナ。よっぽどお前死にたいみてェだなラストオーダー?」

「きゃー暴力反対!ってミサカは叫んでみたり。
 でもミサカが死んじゃうとアクセラレーターは力を失うよ?ってミサカは事実を言ってみる」

「××××××」

「××××××」


このままじゃ埒が明かないと思って、目の前の2人をなだめて話を聞いてみると、
どうやらこの世界の人間じゃないらしい。
男の子はアクセラレーター、女の子はラストオーダーと呼ばれてるみたい。
女の子はミサカって名前だそうだけど、男の子は忘れちゃったらしい。
ありえないよね。
どうやら2人が自宅でくつろいでたところ、いきなり空間に穴が開いて吸い込まれたそうだ。
アクセラレーターが元気なら逃げられたそうだけど、
いまは脳に傷害を受けてるから駄目だったんだって。
何で傷害を受けたかは、話してもらえなかったけどね。
そうそう、アクセラレーターっていう名前の由来は、
全ての力のベクトル(向き)を操作する事が出来るからつけられたんだって。
簡単に言うと、攻撃は全て跳ね返す。
ATフィールドの強化版みたいなものだね。
ラストオーダーの由来は、本当にラストオーダーだったから。
この子も綾波と同じクローンなんだって。
でも規模が違うよ。彼女は2万人の姉妹(シスターズっていうらしい)がいるって話しだし。
綾波が2万人いたら・・・・・不気味だよね。
彼女たちシスターズはネットワークで繋がっていて、
互いに情報交換をしているんだって。
別世界に来た今でも、ネットワークは健在らしい。
ただ、アクセラレーターの脳の補助装置は、
ミサカちゃんたちシスターズが管理してるから、
彼女が死んじゃうと装置は機能しなくなって、彼は力を失うそうだ。
この世界に来て路頭に迷っていたところを、ゼーレに拾われたんだって。
何しろ彼最強だからね。
シンクロの時にベクトルをうまく操作すれば、どのエヴァでもシンクロできるし、
何より携帯ATフィールド発生装置を装備しているようなものだから、
生身で勝てる相手はいないよ。
そんな理由で、NERVへ刺客として送り込まれたって話だ。
彼らに対して同情はするけど、結局のところカヲル君じゃないんだ。
聞いても知らないって言ってたし。
取り敢えずNERVに連れて行ったけど、
アスカたちは今日も人前で痴話げんかしてるし、
アクセラレーターは口が悪いし、
ラストオーダーも何かとうるさい。
うっ!・・・・・・・・なんか胃が痛くなってきた。
まさか僕も急性胃潰瘍?そんなの嫌だ!


 
 



だれか、誰か僕に


 
 


優しくしてよ!

 
 

 
 


 
 

 
 


 
 

 
 

その頃、カヲルはというと


「待ちなさいアクセラレーター!」


ミサカの遺伝元、御坂美琴(みさかみこと)に追いかけられていた。


「ふむ、どうやら彼女は僕と誰かを勘違いしているようだねぇ。
 誤解を解きたいんだけど、何故かは分からないけど、
 彼女が指で弾く石は僕のATフィールドをたやすく貫通するんだよね。
 まったくすごい威力だよ。
 あぁ、シンジ君。いったいどこにいるんだい?
 そしてここはどこなんだい?」

「待ちなさいって言ってるでしょ!」


追いかけっこは続く。美琴が間違いに気付くそのときまで。
だが、カヲルは未だ気が付いていなかった。この世界にシンジがいないという事に。




特別出演
アクセラレーター、ラストオーダー、御坂美琴・・・・・・・・「とある魔術の禁書目録」より



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