目の前には黒い穴が開いている。
「行くんか?」
「はい。お世話になりました」
「気をつけてな」
「仮にも僕が鍛えたんだからね。無様なまねはゆるさないよ」
「分かってますよ。それに、クルハもいますから」
そう言って隣に居る狐(クルハ)の頭をなでる。
クルハは目を細めて気持ちよさそうにしてる。
「じゃあ、もう行きます。皆さん、ありがとうございました」
そう言ってシンジは穴に飛び込んだ。穴はすぐに塞がる。
「でもほんと大丈夫か?」
「なんだ葉。僕が鍛えたんだぞ?」
「それが一番の心配なんよ、ハオ。シンジのやつ、イロイロお前の影響受けちまったからなぁ」
シャーマンシンジ
プロローグ
2015年
第3新東京市NERV本部
その部屋には2人の美女が居た。
黒いロングヘアーの方が言う
「この子がそうなの?」
金髪の方が答える
「ええ。この子がサードチルドレンよ」
目の前の机には、1枚の報告書があった。
「サードチルドレン、碇シンジ。
2008年に、一度失踪。2014年に発見、保護されるも
それまでの経歴は不明。本人は証言を拒否。
以後、失踪前と同じ保護者宅に預けられる。
失踪以前は虐めにあっていた。
失踪後は身体能力について特に向上がみられ、同年代の平均を大きく上回る。
現在は虐めもなく、静かな生活をおくっている、か。
ところで、失踪ってなにがあったのよ?」
「書いてある通り、分からないわ」
「MAGIでも?」
「ええ。でも、どこかの組織に所属していた形跡はないわ」
調べた限りでは、と彼女はつぶやく
「ふ〜ん。ところで、この子だれが迎えに行くの?」
「もちろん保安部よ」
「でもチルドレンなんでしょ?相応の相手が迎えに行かなきゃだめよ。って訳で、私が行くわねん」
「ハア?貴方何を言ってるの!」
「これはもう決定事項よ。じゃあね〜」
そう言って部屋から出て行ってしまった。
「まったく・・・。ミサトったら」
赤木リツコはそう言って大きなため息をついた