この顔、この声、そしてあの黒服さんたち。
そう、俺は
碇ゲンドウになっていた
ある男の悲劇と対策
第2話
(お、落ち着け俺!落ち着いて状況を整理しないと)
俺は神野耀貴。いわゆる引き篭もり予備軍だった。大学から帰ればパソコン、
休みの日には1日中パソコン。時には講義をサボってまで読んでいた。
しかも見ていたのはいわゆるSSといわれる物で、主な中身はエヴァンゲリオンとマリみて。
(このパターンには見覚えがある。数は少なかったけど。しかしよりによって何で髭に・・・。
普通はシンジだろ?まぁ、女や青葉にならなかっただけましか。前向きにいかないと。
権力もあるし、リツコもなかなか美人だし、秘書を囲うのもいいかもしれない。
でも人類補完計画は潰しておかないと、後々面倒だな。だいたい俺ユイさん嫌いだし会いたくない)
「って、肝心のシンジはどこだ?」
トイレから出て、ほかの車両も見に行ったがどこにも居ない。これはまさか?!
ぞろぞろついてきた黒服(しかしこれじゃいかにも重要人物かいますって感じじゃん。
狙ってくださいって言ってるようなものだよ)の一人に尋ねてみた。
「シンジはどこだ?」
「は?先ほどあなたが泣きじゃくる彼を駅に置いてきたではありませんか」
まずい、やはりそうだったのか!急いで戻らないと!
「シンジのいる駅に戻るぞ」
「しか「くどい!私は戻るといったのだ。さっさとせんか!」・・・了解しました。
次で降りてください。車を手配しておきます」
そして、俺はいそいでシンジの元にむかった。
「いない。どういうことだ?」
駅にはシンジは居なかった。ゲンドウとしての記憶もある様なので、
シンジの預け先に連絡をとってみるが、駅に行った時にはもう居なかったそうだ。
「私はてっきりシンジ君が可哀想になって貴方が迎えに来たとばかり」
と言われてしまった。
おかしい。何かがおかしい。誘拐?一応手配はしてみるか。
しかし一番可能性のあるのは・・・
「まさか逆行シンジ君だったのか?もしやアンチゲンドウ系?」
まずい。それはまずい。何で起きたらゲンドウになっていて、
しかも会ったことも無いシンジ君に恨まれなければいけないのか。
このままいくと絶対に殺される!
(畜生、なんでこうゲンドウになるタイミングが遅いんだよ。
どうせならシンジ君を捨てる前になればいいだろ?)
と思ったが、ここに居ても何もできない。
シンジ君の捜索は諜報部に任せることにして、補完計画を潰すことを第1に考えなければ。
せっかくゲンドウになったんだし、
素敵な愛人ライフも満喫してみたいしな。
なによりアスカ人な俺としては、彼女に幸せになって欲しい。
「さて、頑張りますか。リツコにはまだ手を出してないみたいだし、
ナオコもまだ生きてる。綾波も1人目みたいだし、この時期だとまだキョウコは生きてるよな。
アスカのトラウマもうまくいけば回避できるかもしれない。
なによりまずはゼーレに補完計画を諦めてもらわないと。集団自殺なんてまっぴらだ。
証拠集めは重要だな。必ず失敗すると信じさせないと。」
俺は、この世界で幸せになるため(間違ってもシンジに殺されないため)に行動を開始した。