突然ですが、















ナオコさん逝ってしまわれました。










ある男の悲劇と対策
第6話








2010年、その日は突然訪れました。

元々マッドである彼女。
二号機の変化は、研究対象としてもってこいだった。
早朝から娘のリツコと共に色々な実験に励み、
夜は夜でキョウコと張り合い、朝まで求め来る始末。
そして朝になればまた研究。
ちなみに、俺とキョウコはちゃっかり昼まで寝ていて、
よく冬月先生に説教をうけた。

そんな毎日が祟ったのか、実験中に突然倒れ
そのまま帰らぬ人となった。

死因は当たり前だが「過労」。

ナオコ、早すぎる死であった。


その後も、キョウコは
「それはそれ、これはこれ」
などと言って何時も通りに求めてきたし、
ナオコが死んで目に見えて落ち込んでいたリツコを
慰めついでに頂いたりしてしまったので、
職員達(特にナオコを慕っていた女性職員。どうやらナオコ、
たまに実験が長引いたと言ってこない日があったのだが、
彼女たちに手を出していたらしい)に白い目でみられたりもした。


二号機の研究は、正式にキョウコが引き継ぐことなり、
リツコは、後輩のマヤと共に初号機と零号機を担当することとなった。

そんなある日、リツコがある報告書を提出してきた。
「何?ここ1年、初号機から毎日のように
 MAGIにアクセスがあっただと?しかも決まって夜に」
「はい。巧妙にログを消そうとした後がありましたが・・・。
 おそらく、母さんも気づいていたと思います」
(キョウコ達とシテいた部屋にも、確か監視カメラがあったんだったな。
 MAGIはナオコが監督していたから、安心していたんだが・・・
 まさかユイさん、見てたのか?ナオコのやつ知ってたな!!)
「ちなみに、こちらから初号機へのアクセスは拒絶されました」
俺の顔からサッと血の気が引く。
流石のキョウコも、バツが悪そうにしている。


そんな中、冬月先生がとんでもないことを提案した。
「なぁ、碇。初号機、乗ってみらんかね?」
「は?」
(コノジジイハナニヲイッテイルンダ?)
「シンジ君がいれば、彼に頼むこともできたんだが、
 あいにく彼とは連絡は取れんのだし、
 お前もユイ君と結婚して子供まで作っているのだから、
 シンクロできるのではないのか?(ニヤリ)」










(この爺、まだあのことを根に持っているのか?!いい加減しつこいぞ!!)
実は2ヶ月ほど前、冬月先生と2人でエレベーターに乗っていた時、
風邪を引いていた俺は、我慢できずに盛大にくしゃみをしてしまった。
その時、驚いた冬月(呼び捨て決定)の頭から、
白いモノが滑り落ちた。


















・・・・・そう、カツラである。

















その瞬間俺達は固まってしまった。
間の悪いことにその時ドアが開いて、
そこにいた職員達にその姿をみられてしまい、
以後冬月は影で「タコちゅう」と言われるようになってしまったのだった。








「どうする、碇?やってみる価値はあると思うぞ?なぁ、赤木博士(ニヤリ)」
「副司令、早速準備にかかります!」
「ま、まってく「待ってリッちゃん、私も手伝うわ!!」
そう言って彼女達は去っていった。
これでもう断ることはできない・・・・・。




「何を考えているんだ冬月!!俺が乗った場合、
 最悪取り込まれてしまうだろう?!」
「何を言っているんだ。本人の意思さえあれば、
 サルベージなど簡単にできるとアスカ君のお陰で分かったし、
 取り込まれたとしても問題はないだろう?」
そう、二号機のサルベージ実験を行った結果、アスカは簡単に出てきたのだ。
どうやら、成功するかは本人の意思しだいらしい。
その後、アスカは使徒戦の為だと、また二号機に取り込まれていった。
「相手はユイだぞ?無事な姿で帰ってこれると、本気で思っているのか?」
「それはお前しだいだろう?なに、死ぬことはないだろう」

その後散々抵抗したのだが、保安部に取り押さえられ、
初号機のエントリープラグに放り込まれてしまった。

「よろしいですか、司令?」
「全然良くない!!ココから出せ!!」
「ではシンクロスタート」
LCLが溜まっていく
「おい、聞いているのか?!リツコ君、キョウコ君!!
 や、やめrブクブク」
とうとうシンクロが始まってしまった。
何かに包まれる感じが・・・・ってまずい!
引き込まれる!!!!
「ぐあぁあああああ!!」

その瞬間、俺はLCLに溶けた。







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